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 〜ポイント〜
 東北地方太平洋沖地震に係る義援金等に関する税務上の取扱いについて
 

東北地方太平洋沖地震で義援金を行いたいのですか、税務上、気をつけることなどありますか?

 

P O I N T  個人?企業? 義援金等の寄附先 平成23年3月18日現在
1.個人の方が義援金等を寄附した場合

  義援金等が「特定寄附金」に該当するものであれば寄附金控除の対象となります。
  (所法78@A)

   「特定寄附金」
 ・・・ 寄付金控除の対象

    〔その年中に支出した特定寄付金の合計額〕-2000円 = 寄付金控除額

 

2.法人が義援金等を寄附した場合

  義援金等が「国又は地方公共団体に対する寄附金」(国等に対する寄附金)、
  「指定寄附金」に該当するものであれば、全額が損金の額に算入されます。
   (法法37B)

   「国又は地方公共団体に対する寄附金」
   「指定寄附金」                  ・・・ 支出額の全額が損金算入

 

「特定寄附金」 とは??
「国又は地方公共団体に対する寄附金」「指定寄附金」 とは??

「特定寄附金」は次の@からDすべて
「国等に対する寄附金」には次の@、A、B又はDに掲げる義援金等
「指定寄附金」には次のCに掲げる義援金等が該当します。

@ 国又は地方公共団体に対して直接寄附した義援金等
A 日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座へ直接寄附した義援
  金、新聞・放送等の報道機関に対して直接寄附した義援金等で最終
  的に国又は地方公共団体に拠出されるもの
B 社会福祉法人中央共同募金会の「各県の被災者の生活再建のため
  の義援金」として直接寄附した義援金等
C 社会福祉法人中央共同募金会の「地震災害におけるボランティア・N
  PO活動支援のための募金」(平23.3.15財務省告示第84号)として直
  接寄附した義援金等
D @からC以外の義援金等のうち、寄附した義援金等が、募金団体を
  通じて、最終的に国又は地方公共団体に拠出されることが明らかで
  あるもの(「募金団体を経由する国等に対する寄附金」)

 
控除を受けるためにはどうしたらいいの?

所得税:個人
  確定申告書に寄附金控除に関する事項を記載するとともに、義援金
  等を寄附したことが確認できる書類例えば、国や地方公共団体
  の採納証明書、領収書、募金団体が発行する預り証など
)を確
  定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示する必要が
  あります。

法人税:法人
  確定申告書の別表14(2)「寄附金の損金算入に関する明細書」の「指
  定寄附金等に関する明細」に寄附した義援金等に関する事項を記載
  し、義援金等を寄附したことが確認できる書類を保存する必要があ
  ります。

(注)日本赤十字社や中央共同募金会の「東北関東大震災義援金」への
   寄附を郵便振替で行った場合には、郵便窓口で受け取る半券(受
   領証)をもって寄附したことを証する書類として差し支えありません。

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 〜新会社法〜
  会社法に関する法務問題4
  株式会社役員の任期の伸長

株式会社役員の任期の伸長

 今回は施行後ただちに検討すべき事項として、株式会社役員の「任期の伸長(普通より、のばすこと)」をみてみましょう。

  1. 株式会社は、所有と経営の分離が原則。したがって役員は定期的に株主のチェックを受けます。取締役であれば2年、監査役であれば4年で、任期が満了して再選するかどうかを株主総会に諮る。
    これが原則です。
    そして株式会社の役員は、登記事項ですから、任期満了、および選任をそれぞれ登記しなければなりません。
    前後がまったく同じでも登記の義務があるわけです。この登記の登録免許税は3万円(資本金が1億円以下ならば1万円)です。
    2年に1度この支出(弁護士・司法書士に手続依頼すればさらに手数料として約5万円)が必要になります。

  2. ところが、今回の会社法では、株式会社でも一定の場合、役員の任期を最長10年まで伸ばすことができるようになりました。
    取締役であれば最大4回分、約32万円もの費用が節約できる計算になります。
    したがって、役員が今後何年もかわることがない場合など、是非今回の会社法施行を期に、株主総会で定款変更をして、任期を伸長しておくことを検討してみたいものです。

  3. そこで、まず、定款で任期伸長する場合の条件ですが、この制度を採用できるのは、非公開会社(全株式に譲渡制限のついた閉鎖的な会社)に限られます。
    次に、任期を伸長することのリスクですが、伸長したら最後、株主総会で解任するときに、正当な理由がないと、解任された役員は、会社に対し、残存任期分の役員報酬相当額を損害賠償請求できることがあげられます。

  4. いずれにしても任期を延ばすことができますが、伸ばすかどうかは自由であり、伸ばしたときのリスクも考慮して検討しましょう。
    一概に「出来るのだから伸ばすべきです」というのは無責任な素人発想というべきです。
    私見では、株主1名で、その者だけが役員である場合には、伸ばすべきかと思います。
    なぜならば多くの有限会社の例にならえば弊害が少なそうだからです。ただ、一点、10年後の任期満了、及びその改選登記をわすれてしまうと、次に、任期満了に気がつく機会は、ほぼ皆無ですから、最終的な懈怠の過料金が、跳ね上がりかねませんので注意が必要です。

 

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 〜相続〜
  葬式費用を債務控除できる方法を教えてください

葬式費用ならば何でも相続財産から控除できますか?
また、葬式費用を相続財産から控除するために用意する書類があれば、教えてください。

 葬式費用ならば、何でも相続財産から控除できるわけではありません。 相続財産から控除できる葬式費用は、次のようなものです(相基通13-4)。

  1. 葬式や葬送を行う時やそれ以前に、埋葬、火葬、納骨又は遺骸や遺骨の回送などにかかった費用。(仮葬式と本葬式を行った時は、その両方にかかった費用が認められます。)
  2. 葬式の時に、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当と認められるものにかかった費用。
  3. 1.及び2.のほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものとしてかかった費用。(例.お通夜にかかった費用)
  4. 死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬にかかった費用。

また次のような費用は、相続財産から控除することはできません(相基通13-5)。

  1. 香典返戻にかかった費用。
  2. 墓碑及び墓地を買うためにかかった費用並びに墓地を借りるためにかかった費用。
  3. 法会(初七日や法事)にかかった費用
  4. 医学上又は裁判上の特別の処置をするためにかかった費用。

 なお、相続税の申告をする際にこれらの費用について控除を受けるために用意する書類は、支払った内容、金額などが分かる書類です。

具体的には、領収書、請求書などが該当します。