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2009年9月14日(月)

インフルエンザと休業手当
 
 

 新型インフルエンザの本格的流行で、学校や職場等集団で行動する場での対応は重要な問題となっています。

 個人的な日常の注意は勿論ですが、職場での留意事項を伝達し、会社に甚大なる被害が起きないよう促す必要があるでしょう。


企業での対策例

  • 洗面所に手洗い用石けん、消毒薬の準備、場合によってはうがい薬によるうがい

  • 必要に応じてマスクの準備や着用

  • 咳・くしゃみエチケット ティッシュなどで鼻や口を押さえ、飛沫を飛ばさないように注意する

  • 複数が接触するような場所は以前より清掃を徹底する

  • 熱がある時、無理に出社しない

  • 必要に応じ体温計を備え付けておく

休業中の賃金の取扱いは?

 さて、インフルエンザにかかったかなと思われた時、会社は自宅待機を命ずる事となると思われますが、それには、下記のような場面が想定されます。

  • 本人の感染が疑わしく、検査結果待ちの時

  • 家族の感染が疑わしく、検査結果待ちの時

  • 本人の感染が判明した後完治後3日間位

  • 海外出張から帰国後3日間位

  この間の賃金はどのように扱うのが良いのでしょうか。

 会社が自宅待機を命ずれば、会社は休業補償(平均賃金の60%以上)をしなければなりません。

 厚労省も今回のインフルエンザの休業補償について明確な見解を出しているわけではありません。

 インフルエンザに罹患することは、普通は会社の責任ではありません。

 本人が年次有給休暇を申請すれば休業補償は不要となりますが、会社が休業を命ずると休業補償しなければならないというのも変な話です。

 年次有給休暇は本人申請であり、強制的に取らせる事はできないため、本人の同意が得られる時はその方法も良いでしょう。

 新型インフルエンザはかかった人、又はその恐れのある人には休んでもらわないと、会社の被害を拡大させる可能性がありますから、その事を考慮したうえでの企業対策が必要でしょう。