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◇新着税務情報◇
  〜給与・退職金〜
  死亡退職者に対する給与と退職金の取り扱い
 

[相談]

 7月25日に従業員が死亡退職となりました。その後、7月30日に7月分給与と退職金を支払いました。税務上の留意点を教えてください。

 

 

[回答]

 留意点は次の3点です。  

1)7月分給与の取り扱いと源泉徴収

  • 死亡退職後に支払われる7月分給与は、相続財産に該当し、所得税の課税対象外です。したがって、所得税の源泉徴収は不要です。  

2)年末調整と納付書の記載

  • 年末調整は、死亡退職時に行います(所基通190-1)。対象は、1月から6月までの給与及び賞与です。7月分給与は、相続財産に該当するので除外します。
  • 年末調整により還付となる場合、税務署に納付する納付書の記入については、通常の年末調整後の納付の時と同様に、還付金額を納付書の「年末調整による超過税額(05)」に記載して納付額から控除します。  

3)死亡退職金の源泉徴収と提出書類  

  • 死亡退職金は相続財産に該当しますので、源泉徴収は不要です。会社の提出書類は、相続税法の規定により、「退職手当金等受給者別支払調書」です(相続税法第59条第1項第2号)。「退職所得の源泉徴収票」と「特別徴収票」は提出する必要はありません。
  • 参考までに、死亡退職金でない場合には、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」を従業員に提出してもらい、それに基づき、会社は源泉徴収の有無を検討します。

また、会社の提出書類は所得税法の規定により、「退職所得の源泉徴収票」です(所得税法第226条第2項)。