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  〜相続〜
  相続時精算課税制度の特例
 

[相談]

 相続時精算課税制度の特例について教えてください。

質問1 相続時精算課税制度の特例としての住宅取得資金に係る特例制度の
    概要と適用要件について教えてください。

質問2 相続時精算課税制度の特例として取引相場のない株式等に係る特例
     について、制度の概要と適用要件について教えてください。

 

 

[回答]

質問1について

【住宅取得資金に係る特例】(相法21の9、措法70の3、70の3の2)

●制度の概要

  平成15年1月1日から平成19年12月31日までの間に、20歳以上である子が
  親から自己の居住の用に供する一定の家屋を取得するための資金又は自
  己の居住の用に供する家屋の一定の増改築のための資金(住宅取得等資
  金といいます。)の贈与を受け、その資金を贈与を受けた年の翌年3月15日ま
  でに一定の家屋の取得又は一定の増改築の費用に充てて、その家屋を同
  日までに居住の用に供するか又は同日後遅滞なく居住の用に供した場合に
  限り、これらの資金の贈与については贈与者である親が65歳未満であっても
  相続時精算課税を選択することができます。

●適用要件

<一定の家屋>
   次の要件を満たす日本国内にある家屋をいいます。 なお、居住の用に供
   する家屋が二以上ある場合には、その者が主として居住の用に供すると認
   められる一の家屋に限ります。

  1. 家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上であること。
  2. 購入する家屋が中古の場合は、家屋の構造によって次のような制限があります。 
    イ マンション等の耐火建築物の場合は、その家屋の取得の日以前
       25年以内に建築されたものであること。 
    ロ 耐火建築物以外の建物の場合は、その家屋の取得の日以前20年
       以内に建築されたのものであること。
       ただし、平成17年4月1日以後に取得する中古住宅のうち、一定の
       耐震規準を満たすものについては建築年数の制限はありません。
  3. 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。

<一定の増改築>
    その者が所有し、居住の用に供している家屋について日本国内において
    行われる増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替その他の工事の
    うち一定のもので、次の要件を満たすものをいいます。

  1. 増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。なお居住用部分の工事費が全体の工事費の2分の1以上でなければなりません。
  2. 増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
  3. 増改築等後の家屋の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上であること。 

●住宅資金特別控除の特例

 平成15年1月1日から平成19年12月31日までの間に20歳以上である子が親
  から住宅取得等資金の贈与を受け、その資金を贈与を受けた年の翌年3月
  15日までに上記(相続時精算課税選択の特例)の一定の家屋の取得又は
  一定の増改築に充てて、その家屋を同日までに居住の用に供するか又は同
  日後遅滞なく居住の用に供した場合に限り、これらの資金の贈与については
  2,500万円の特別控除のほかに1,000万円の住宅資金特別控除額を控除す
  ることができる。


●適用手続

 この特例の適用を受けるためには、贈与税の期限内申告書にこの特例を受
  ける旨を記載するとともに、相続時精算課税選択届出書、住民票の写し、登
  記事項証明書、耐震規準適合証明書など一定の書類を添付しなければなり
  ません。

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質問2について

【特定同族株式等の贈与を受けた場合の特例】
(相法21の9、措法70の3の3、70の3の4)

●制度の概要

 平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に20歳以上である子が
  60歳以上65歳未満の親から「特定同族株式等」の贈与(その特定同族株式
  等の贈与価額の合計額が500万円以上となる場合の贈与に限ります。)を受
  け、かつ、その年12月31日においてその特定同族株式等に係る法人の役員
  等の地位を有する場合において、確認日翌日から2月以内に確認書を納税
  地の所轄税務署長に提出することが確実であると見込まれるときは、その特
  定同族株式等の贈与について相続時精算課税を選択することができます。


●適用要件

  1. 贈与の時において特定同族株式等に係る法人の代表者が2人以上おらず、かつ、贈与の直前及び贈与の時においてその法人の発行済株式又は出資の時価総額(相続税評価額による総額)の合計額が20億円未満であること。
  2. 贈与者である親が、贈与の直前において、法人の代表者であり、発行済株式の総数又は出資又は総額並びに議決権の50%超をそれぞれ有していること。
  3. この特例の適用を受けることについて、贈与者である親の推定相続人のすべての同意を得ていること。

●特別控除の特例

  平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に20歳以上である子が
   60歳以上の親から上記(相続時精算課税の特例)の上記の一定の要件を
   満たす特定同属株式等の贈与を受けた場合には、その特定同族株式等に
   ついては2,500万円の特別控除のほかに500万円の特別控除額を控除す
   ることができる。


●適用手続

  この特例の適用を受けるためには、贈与税の期限内申告書にこの特例を受
   ける旨を記載するとともに、相続時精算課税選択届出書、法人の定款の写
   し、登記事項証明など一定の書類を添付しなければなりません。