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  〜売掛金の計上〜
  売掛金(保険未収入金保険未収入金仕訳売掛金)の仕訳
 

売掛金(保険未収入金保険未収入金仕訳売掛金)の仕訳

 

今回は売掛金の計上についてお話します。

売掛金とは、物やサービスを販売した時に代金を後で受け取る約束をした金額となります。店頭での対面販売では商品を渡した時にお金を頂けますが、会社同士の取引などでは後からまとめて振り込まれる場合が通例です。

 売掛金の計上方法は事業や規模によって様々ですが、決算(確定申告)を組む際には必ず計上しなければなりません。決算(確定申告)時に計上すれば足りることですが、常々正しい損益を把握するためには、最低でも毎月計上し月次での損益を把握していくことが必要でしょう。

売上金額は現金や預金に入ってきます。売上金額を専用システムなどで管理している場合は月に一度振替仕訳を起こすことで、試算表上でも当月の売上高を表示することができます。つまり、当月現預金に入ってきた売上金額の中で、先月以前の金額は先月計上した売掛金から減少させます(a)。先月以前に計上した売掛金の入金がない場合は、当然その売掛金は残ります。そして、当月売上となるが次月以降に入るべき金額を売掛金として計上することとなります(b)。

(a) 現預金/売掛金 ○○○円 売上代金入金
(b) 売掛金/売上  ○○○円 当月売掛金計上

 保険診療を行っている医院の場合、窓口で一部負担金を受け取っていますが、残りの金額は健康保険組合に請求し翌々月に振り込まれることになります。医院では、「売掛金」という勘定科目を「保険未収入金」と呼んでいます。毎月で損益を把握するためには、健康保険組合に請求する金額を計上する必要があります。

 医院の場合の保険未収入金の計上は、患者ごとの診療報酬請求明細書(レセプト)からその月の総額の収入を計算し、窓口での一部負担金を差し引いた金額が通常保険未収入金となります。また、健康保険組合から一部審査等で減額されて振り込まれることがあり、その時点で振替仕訳をする必要があります。個人事業の場合、社会健康保険組合からの入金時には源泉所得税を引かれて入金されるため、これも振替仕訳をする必要があります。

 <設例(個人事業所の場合)>

  当月レセプトの収入総額10,200,000円
             (1,020,000点)   当月窓口での一部負担金金額2,448,000円
  先々月請求分のうち減額された金額       55,000円
  先々月請求分の社会健康保険組合からの   395,000円 
  入金で差し引かれた源泉所得税の金額

  <仕訳例>

   借方      貸方       金額        摘要
  保険未収入金  保険請求収入 7,752,000円 当月分保険請求収入
  保険等調整増減 保険未収入金  55,000円 保険等調整減 源泉所得税
  保険未収入金  395,000円 前々月分源泉所得税
保険未収入金の残高は、入金が翌々月となるため当月分と前月分の2か月分であることをご確認ください。