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◇新着税務情報◇
  〜その他〜
   役員と従業員で別メニューの健康診断を実施する場合
 

役員、従業員の健康診断を負担した場合、経費になりますか?

役員については、従業員とは別メニューで人間ドックやPET検診なども検討 していますが、問題ありませんか?

ここまでなら経費にできるという、一般的な線引きはあるのでしょうか?

 

原則的な扱い

会社が負担した検診費用が、役員のみ又は特殊関係者のみを対象としたもの や、著しく高額であると認められるものでなければ、福利厚生費として損金の 額に算入されます。

役員のみを対象としたものや、著しく高額であると認められるものを負担し た場合には、その役員に対する給与を支給したものと同様の経済効果をもたら すものとして、役員給与として取り扱われ損金不算入となる可能性があります。
(法人税基本通達9−2−10)

 また、所得税法基本通達36−29では以下のように規定されています。

 使用者が役員若しくは使用人の福利厚生のための施設の運営費等を負担する ことにより、当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が 受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認め られる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差 し支えない。

特定の者だけを対象としていないこと、著しく高額でないことの要件を満た せば、所得税も課税されないことになります。

例えば、

  • 役員及び従業員のうち、何歳以上の希望者に対する人間ドック費用を負担するもの → 福利厚生費として損金算入されます。
  • 従業員は簡易な検診のみ、役員に限り人間ドックでの検診費用を負担するといった線引きをされた場合には、役員に対する人間ドック費用は役員給与と認定され、損金不算入となる可能性があります。
  • PET(がん)検診は、一般的に検診費用が数十万円程度必要になるため、著しく高額であるとみなされる可能性があります。 ただし、検診費用を現金支給された場合には、給与として源泉徴収の対象となりますので、注意が必要です。