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◇新着税務情報◇
  〜相続〜
  一旦駐車場利用した元居住用土地を譲渡する場合の特例
 

夫が亡くなった後に、これまで夫と一緒に住んでいた土地付家屋を3000万円で売却しようと思いましたが、買い手が見つからないので困っていました。

そこで、一旦、家屋を取壊して、更地にして、その土地が売れるまでは駐車場として賃貸しようと思います。

この土地が売れた場合、居住用家屋の3000万円控除は可能でしょうか?

 

 

控除は受けられません。

居住用家屋の3000万円控除は、居住用財産を売ったときに、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3000万円までを控除できる特例ですが、一定の適用要件を満たす場合にだけ適用されます。ご質問のように、駐車場として賃貸する場合には対象外となります。

 特例を受けるための適用要件および適用除外例は以下のとおりであり、確定申告書に一定の書類を添付して、確定申告をする必要がありますので、申告の際には、顧問税理士に必ずご相談ください。

(適用要件):措置法35−1、措置法通達35-2

  1. 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
  2. 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
  3. 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
  4. 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
  5. 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の二つの要件すべてに当てはまること。 
    1. その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。 
    2. 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場等その他の用に供していないこと。
  6. 売手と買手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。  
    特別な間柄には、このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

(適用除外例):措置法通達35-5、31-3-2

  1. この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
  2. 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
  3. 別荘などのように主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋