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◇新着税務情報◇
 〜新会社法
 役員給与の遡り支給について
 

当社は5月決算の会社です。7月の定時株主総会で役員の報酬を月額100万円から月額120万円へ増額します。

 期首(6月)に遡って増額しますので、6月及び7月分の差額40万円を 8月分報酬に上乗せして支給しますが、会社の損金と認められますか?
 会社法、税務上の取扱いについて説明してください。

 

平成18年5月1日から施行された会社法においては、取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価は、定款又は株主総会の決議によって定めることとしています。
(会社法第361条)  

報酬の増額等に関して、特に記載がないため、上記と同様に株主総会の決議によって定めることになります。

 税務上の取扱いについては、平成18年度の法人税法改正で役員に対する給与制度の見直しが行われ、役員の報酬は「定期同額給与」とされ、一定の要件 を満たすものに限り損金に算入されます。(法法第34条,同施行令第69条)

 要件のうちに、その事業年度開始の日から3ヶ月(保険会社は4ヶ月)以内 に改定があった場合は、改定前後でそれぞれ同額支給される定期給与であることが、定められています。

 したがって、ご質問のような場合、一括支給した増額分40万円については、この定期同額給与に該当しないため、損金に算入できません。 なお、40万円を一括して支給するのでなく、8月〜5月分に織り込んで月額124万円を支給することを株主総会で決議した場合には、定期同額給与として損金に算入することが認められると思います。

 また、国税庁より「役員給与に関するQ&A」が公表されましたので、参考 にしてください。