「事業主貸」は、個人事業の特有の勘定科目であり、法人では、役員貸付金や仮払金などの科目で処理します。

　 個人事業主は、次のような必要経費にならない家事上の支出などを「事業主貸」で整理します。

1. 事業用の現金を生活費として家計に渡した金額
2. 決算整理において、家事関連費の中から家事分として必要経費から除外した金額
3. 決算整理において、家事用として使用する建物や自動車について、家事用として減価償却費から除外した金額
4. 事業用固定資産を売却(譲渡所得に該当する場合)し譲渡損が出た場合はその金額

なお、2.の「家事関連費」とは、個人の支出する費用で、その支出の目的が事業又は業務上の経費と家事上の経費との双方に関連するものをいい、税務上、一定の基準により必要経費算入を認めていますので留意してください。

（所得税法45(１)、所得税法施行令96、所得税法基本通達45-1、45-2）