不動産所得を生じる事業を行う民法上の組合等の組合員である場合には、その事業について生じた損失額はなかったものとみなす改正がされました(措法41の4の2)。
ただし、当該組合事業について中心的な働きをする組合員はこの規定から除かれています。
今回の改正は、昨年の秋に名古屋地裁で争われた航空機リース事業の事業形態に絡み、当該事業を不動産所得として損益通算が裁判で認められてしまったため、急遽改正されたものだといわれています。
航空機リース事業を使った節税対策とは具体的には次のような構造です。
まず、航空機リース事業を行う民法上の組合へ組合員として個人が出資します。その事業に係る利益(損失)は各組合員へ配分されるため、各組合員個人の所得(損失)となります。航空機リース事業は、通常最初の何年かは損失が発生する仕組みであるため、最初の何年かは組合員個人に損失が発生します。個人の所得の計算上、この配分される所得は不動産所得と認識されているため、損益通算が可能となり、個人は他の所得の圧縮が図れます。そのため、節税商品として市場で出回っていました。
この節税策を封じ込めるため、このような損失が発生した場合には、その損失額はなかったものとみなされることになりました。
なお、この改正の適用開始日は、平成18年以後です。