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◇新着法務行政情報◇
 〜新会社法
 医療法人で会社法改正の影響はありますか
 

医療法人で、今般施行された会社法の影響はありますか?
また、医療法改正などで経理処理上、今後気をつけるべき点などございますでしょうか?

 

会社法における会社とは株式会社(特例有限会社を含む)、合名会社、合資 会社、合同会社とされています。  

医療法人は、医療法の規定に基づき設立される法人であり、今般施行された会社法の影響は特にありません。

医療法の改正によって、医療法人は社会医療法人と医療法人(拠出型)の2種類となります。

 医療法改正後(平成19年4月以降)に新設される医療法人は医療法人(拠出型)となります。 現行の特別医療法人は、5年間の経過措置を設けた上で、都道府県の認定を受け、社会医療法人への移行、または、移行しなかった場合には、医療法人(拠出型)として取り扱われることになります。

 特定医療法人については、根拠法が租税特別措置法であり、医療法改正の対象とはならず、今後の取扱いは現時点では未定です。

 社会医療法人は公益性の高い医療法人として、税制上の優遇措置が予定されています。

 現行の出資持分のある社団医療法人は、医療法改正後も当分の間、経過措置として、存続が認められます。
医療法人(拠出型)と社会医療法人については、残余財産の帰属は国、地方公共団体または類似の医療法人とされています。

持分のある医療法人については、財産の帰属は定款で定める者とされており、拠出型医療法人への移行は自主的な移行とし、強制はされていません。

今回の医療法改正によって、医療法人の決算等の書類の作成・閲覧についても規定が整備されることとなりました。

   〜現行の医療法人〜
   (作成書類)    (作成及び事務所の備付   (閲覧対象者)
             都道府県知事への届出期限) 
   ・財産目録     ・2ヶ月         ・債権者
   ・貸借対照表
   ・損益計算書




   〜改正後医療法人(拠出型)〜
   (作成書類)   (作成及び事務所の備付   (閲覧対象者)
             都道府県知事への届出期限) 
   ・財産目録     ・2ヶ月         ・債権者 
   ・貸借対照表                 ・社員および評議員 
   ・損益計算書 
   ・事業報告書 
   ・監事の監査報告書




   〜社会医療法人〜
   (作成書類)    (作成及び事務所の備付    (閲覧対象者)
              都道府県知事への届出期限) 
   ・財産目録     ・3ヶ月         ・一般
   ・貸借対照表
   ・損益計算書
   ・事業報告書
   ・監事の監査報告書
   ・公認会計士等の監査報告

        
(一定規模以上の法人) 

上記のように、医療法改正後の医療法人については毎年の作成書類、提出書類が増えることになります。

現行の持分のある社団医療法人については、当分の間、適用がありません。

 現時点では、現行制度の廃止時期が明確になっておらず、今後の動向が注目されます。