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◇新着法務行政情報◇
 〜取締役会〜
 3ヶ月に1回取締役会は開催しないと問題あり?
 

3ヶ月に1回取締役会は開催しないと問題ありますか。
2、3日でも遅れると問題ありますか?

 

取締役会招集権限のある取締役の善管注意義務違反に問われる可
能性があります。

〜いわゆる定例取締役会(260条4項)の開催が遅れた場合の法的制裁〜

  1. 取締役会は意思決定機関であるとともに各取締役の業務執行の監督機関です。
    いわゆる定例取締役会は、3ヶ月に一度各取締役の執行状況を報告さ
    せるもので、これは、上記の監督の実効性を確保するものです。
  2. では、この定例取締役会を開催しなかった場合の法的リスクですが、条文上では過料などにより、この開催が強制されていないことから問題となります。
     
    1. この点、定例取締役会の招集は取締役会招集権がある取締役の義務ですそして、この取締役会不開催により、各取締役の他の取締役への執行の監督が十分にできず、これにより会社に損害が生じた場合、その業務執行をした取締役はもとより、定例取締役会招集義務という任務を懈怠した取締役も、任務懈怠と会社の損害発生に因果関係があれば損害賠償責任(266条1項5号)を負うことになります。
    2. さらに、このような不開催により不適当な業務執行がなされ第三者に損害が生じた時もまた、招集義務違反の取締役に損害発生について悪意または重過失ある場合には、第三者に対し直接損害賠償責任(266条の31項)をおうことがあります。

  3. 以上のとおり、定例取締役会の開催が遅れた場合、招集権限がある取締役個人につき、損害賠償責任などの法的リスクが生じます。