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◇Q&A一人会社の節税封じ◇
 〜一人会社の節税封じ〜
 一人会社の節税封じQ&A 第1回
 同族会社の主宰役員の給与所得控除額の損金不算入 パターン1
 

なぜ今回の改正で、同族会社の主宰役員の給与所得控除額の損金不算入」という規定ができるのですか?

 

この規定は、今般改正された新会社法で株式会社を簡単に設立できてしまうことが引き金だといわれています。

なぜ、株式会社を簡単に設立できてしまうことが、問題になるのでしょうか。それは、個人経営から会社経営へステップアップするだけで、節税になる手法が存在しているからです。

個人経営ならば税金の対象となるべき利益の部分を、会社経営でこの利益を”社長給与”として受取ると、一定の税金が課税されないみなし経費の部分(これを「給与所得控除額」といいます。)を得ることができます。

つまり、実質個人経営であっても、税金が課税される金額に違いが生じてしまいます。

例: 個人経営の場合…利益 3,000万円
           青色申告特別控除   65万円
           ∴個人の所得金額 2,935万円

    会社経営の場合…本来の個人経営のときの利益 3,000万円
            社長給与 3,000万円(法人所得金額 0円)
            給与所得控除額    320万円
           ∴個人の所得金額 2,680万円

  この場合は極端な例であり、個人と会社との所得金額の計算での違いは省いていますが、この例では、課税される所得差が255万円となり、税金でも年間130万円近い差が出ます。

新会社法の改正で株式会社の設立が容易になりますと、さらにこのようなひずみを増長させることが予想されます。そのため、これを抑える目的があるようです。