外国人雇用に関するQ&A
Q34  外国人に係る税金の取り扱いはどのようになりますか。
A34  外国人の労働者に対して給与等を支払う場合、所得税の源泉徴収を行う必要があります。
  源泉徴収の対象となる収入の範囲及び方法は、その者が「居住者」であるか「非居住者」であるかによって異なります。
  「居住者」の場合、一般的には事業主が外国人の労働者から「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を受け、給与等を支払う都度、扶養する親族等の数に応じて「給与所得の源泉徴収税額表」により税額を算出して源泉徴収を行った後、その年の最後に給与等の支払いを行う際に年末調整により、その者が納付すべき所得税の精算を行うこととなります。
  「非居住者」の場合、支払う給与等に対しては原則として20%の税率による源泉分離課税の方法により所得税の課税関係を終了させることとなります。
  また、住民税については、1月1日現在、居住者として日本に住んでいた場合は納税義務者となります。住民税額は、前年の所得税の課税状況を参考にして4月以降に各市区町村で決定され、納税義務者に通知されます。住民税の特別徴収義務者に指定された場合は給与等を支払う際に住民税を徴収しなければなりません。

  居住者・非居住者別課税範囲

  所得税の課税範囲 住民税の課税範囲


非永住者 国内の所得(国内源泉所得)の全てと国外の所得(国外源泉所得)のうち国内で支払われたもの及び国内に送金されたもの 1月1日現在、居住者として日本に住んでいた場合は課税
永住者 全ての所得
非居住者 国内において行う勤務等に起因するもの
(国内源泉所得)
非 課 税

 我が国の所得税法上、個人の納税者はその者の住所の有無や日本での居住期間の長短によって、居住者と非居住者に区分され、居住者はさらに非永住者と非永住者以外の居住者に区分されます。
 それぞれの定義は次に掲げるとおりですが、居住者・非居住者の区分によって前記のとおり、課税範囲や課税方法、課税所得の計算方法が異なりますので、その判定は非常に重要であり、注意する必要があります。

1) 居住者
 
居住者とは、(1)国内に住所を有する者、または(2)国内に居所を有する期間が、現在まで引き続いて1年以上である者をいいます。
 なお、この場合、日本において職業に従事するために入国した外国人の労働者は、わが国での滞在期間が、契約等によりあらかじめ1年末満であることが明らかな場合を除き、その者は入国後直ちに「居住者」との推定を受けることとされています。
 居住者は、更に「非永住者」と「永住者」に区分されます。
非永住者
  非永住者とは、居住者のうち、国内に永住する意思がなく、かつ、国内に住所または居所を有する期間が、現在まで引き続いて5年以下である者をいい、次のいずれか該当する者が非永住者となります。
(イ) 永住の意思がなく、かつ、国内に住所を有する期間が、現在まで引き続いて5年以下である者
(ロ) 永住の意思がなく、かつ、国内に居所を有する期間が、現在まで引き続いて1年以上5年以下である者
永住者
  次のいずれかに該当する者は永住者となります。
(イ) 永住の意思に関係なく、国内に住所または居所を有する期間が、現在まで引き続いて5年を越える者
(ロ) 永住の意思があり、かつ、国内に住所を有する期間が、現在まで引き続いて5年以下である者
(ハ) 永住の意思があり、かつ、国内に居所を有する期間が、現在まで引き続いて1年以上5年以下である者
2) 非居住者
 
非居住者とは、居住者以外の者をいい、次のいずれかに該当する者は非居住者となります。
国内に住所及び居所を有しない者
国内に住所を有せず、かつ、居所を有する期間が、現在まで引き続いて1年末満である者

●居住形態による区分
  住所または居所を有する期間   永住の意思あり 永住の意思なし
住所
あり
5  年  超

永住者
 
非永住者
 
非永住者
5 年 以 下
住所
なし
居所
あり
5  年  超
1年以上5年以下
1 年 未 満 非居住者
居所
なし