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2009年10月14日(水)

税理士試験合格率の異常
 
 

司法試験の合格率

 
受験者
合格者
合格率
2008年
6,261
2,065
33.00%
2007年
4,607
1,851
40.20%
2006年
2,091
1,009
48.30%

 全国にある74の法科大学院修了生が受験者で、年3000人の合格者を輩出する政策目標があります。


公認会計士試験の合格率

 
願書
提出者
合格者
合格率
2008年
21,168
3,625
17.12%
2007年
20,926
4,041
19.31%
2006年
20,796
3,108
14.95%

 

 金融庁は毎年合格者3000人とし、平成30年までに公認会計士5万人体制を目標にすると発表しています。


司法書士試験の合格率

 
受験者
合格者
合格率
2008年
27,102
931
3.40%
2007年
26,860
919
3.40%
2006年
26,278
914
3.40%

 法曹人口増加の方針で、受験者数及び合格者数はこの15年来、年々増加しています。


社会保険労務士試験の合格率

 
受験者
合格者
合格率
2008年
47,568
3,574
7.50%
2007年
45,221
4,801
10.60%
2006年
46,016
4,286
8.90%

 受験者は年々増加しており、近年の合格率はおおよそ8%台で推移しています。


税理士試験の合格率

 
受験者
合格者
合格率
2008年
51,863
964
1.86%
2007年
53,324
1,014
1.90%
2006年
54,203
1,126
2.08%

 各士業の合格率を単純に比較することに無理があるとは言え、士業の人数を増やす政策的趨勢の中で税理士試験の輩出合格者数が異常に少ないことに気付きます。


異常の原因となりゆき

 税理士の新規登録者はここ5年で13,563名おり、試験合格者5,249名の2.6倍です。資格登録への入り口が多様という制度の特徴が合格者数制限にもなっています。

 その結果、受験期間の長期化とか、試験合格者の高年齢化をもたらしているとともに、年々受験者数を逓減させています。

 資格試験としての魅力も逓減し出すとますます合格者数は減るのかもしれません。