2008年8月27日(水) |
実質2文字の改正法 |
民主党が廃止法案提出 民主党は、法人税法第35条に規定する特殊支配同族会社役員給与損金不算入措置を廃止する法律案をこの169回通常国会で参議院に提出していました。 法律案は極めてシンプルなもので、「第35条を次のように改める。 第35条削除」というものです。実質2文字です。 会期は6月21日までだったところ、6月4日提出なので、審議なしの廃案でした。 立法の経過 平成18年度に立法されたときは、新会社法により個人事業者の法人成りが容易になり、法人化節税メリットが受け易くなったので、これを抑制するとしていました。 この理由では、税法は会社法の趣旨に反対していることになります。 そして、それなら新規法人成りに制限を加えればよいものを、中途半端に成功している同族中小法人に重い負担を強いることをしています。 やっと年収1,600万円になれた社長の会社だと、100万円ぐらいの追加課税をされることになります。ひどい話です。 |
税理士会の主張していること 法人が役員給与を支給すると、資金が流出し、担税力が減少するにもかかわらず、損金不算入にすることは、喪失した担税力に課税するものです。 一方、役員給与を受けた個人においては、役員給与額から給与所得控除額が控除されます。 給与所得控除額が問題なら、個人所得税を見直すべきものです。 自民党の平成20年度税制改正大綱 自民党も動向を気にしており、大綱で「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度については、その適用状況を引き続き注視する」と書いていました。 しかし、給与所得控除の見直しだったらマスコミが騒然となるところ中小法人への代替課税にしているのでマスコミは取り上げません。 それで積極性に欠けるようです。 秋の国会は? 民主党の法案提出にもなんとなく中小法人向けアリバイ工作的な匂いを感じますが、そうでないとしたら秋の国会では会期始めに再提出して是非議論をすすめてほしいところです。
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