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2008年8月12日(火)

長期滞留売掛金は 1年以上の辛抱が肝心
 
 

長期滞留売掛金

 いくら請求してもなかなか代金を支払ってくれないお客様ほど厄介なものはありません。

 既に売上には計上をしていますので、決算では入金がないにもかかわらず、そのお客様の売上に対する税金を支払っております。泥棒に追い銭ではないですが、入金がないまま税金だけ支払うこととなり、資金的には持ち出しになってしまいます。


免除はしたくないのが本音

 相手の会社が倒産する、または全く支払能力がないことが明らかであれば、あきらめもつきますが、細々とでも営業を続けているような場合は、債権を放棄して免除しなければ、貸倒れとして損金に落とすことはできません。

 しかし経営者としては、債権を放棄してあきらめるのも癪だし、かといっていつまでも、売掛金に残しておきたくもない。

 できれば回収できたときに収入にあげるから一度損金に落とせないか?と言うのが本音です。

形式上の貸倒れ

 法人税法でもその辺の事情に考慮したかどうかは知りませんが、形式上の貸倒損失というのがあります。

 債務者との取引停止後1年以上経過した場合、貸倒れ損失として損金処理できます。

 しかしこの適用を受けるには条件があります。条件は以下となります。

  1. まず売掛金など商売上の債権であったかどうか、貸付金等の金銭債権は該当しません。
  2. 更に継続的な取引であったかどうか、1回限りの単発取引では該当しません。

留意点

 取引停止後1年以上経過した場合ですから、途中で一部入金があったりした場合は、そこから1年以上経過しなければ摘要はありません。ご留意ください。