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2007年5月16日(水)
離婚時年金分割の誤解と真実
 
 

 平成19年4月より離婚時の年金分割制度が導入されました。

 マスコミでは「熟年離婚と年金分割」として話題になっていますが、実は知られていない事実が潜んでいます。

  1. 分割されるのは婚姻期間部分の保険料納付記録であり、分割割合は上限50%。
  2. 平成20年4月以降の第3号被保険者期間については自動的に50%分割。
  3. 婚姻期間中、被扶養配偶者に厚生年金加入期間があるとその期間も分割。
  4. 原則、離婚後2年以内に請求すること。

 では具体例を1つ。

 平成19年4月に離婚、婚姻期間30年、夫は会社に40年勤務し、厚生年金が月12万円(平均受給額)で賃金変化を考慮せずに計算すると、分割対象は12万円のうち婚姻期間部分(30年)の9万円。

 このうち上限50%で分割された場合には45,000円となります。

 この分割割合は当事者双方の同意が必要とされ、同意が得られない場合には裁判手続となります。

 ただし、分割割合が決定しても改定請求をしなければ分割されません。

        ちなみに、婚姻後に厚生年金加入期間があった妻の中には、自分の年金は満額保障され、夫の年金の50%が上乗せされると誤解されている方もいるようですが、妻の分も分割対象になります。