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2007年2月15日(木)
日銀株(出資証券)の不思議 !
 
 

 今から9年前1997年の年末、日本は金融不安のどん底にあり、日銀の株価は10万円を割り込み、2003年前半には4万円台まで下げました。

 その後、金融機関の不良債権処理が峠を超え2005年夏後半には10万円台を回復し、2006年1月には13万円を超え、現在では10万円前後を推移している状況です。


(1)日銀が上場している市場は

 日銀の株価が上下すると言うことは、日銀の株式がどこかの市場に上場しているからにほかありません。その市場は、現在、ジャスダック市場です。何故、ジャスダック市場かと言えば、日銀の資本金は1億円しかありませんので、東証への上場基準が満たさないからであります。

(2)日銀の株は正式には出資証券

 日銀は、1882年に会社組織としてスタートしています。以後、上場したり上場廃止したりを繰り返し、現在ではジャスダック市場に上場していますが、株式市場でありながら、上場しているのは株式ではなく出資証券です。

 したがって、1株でなく1口なります。

 1口当たりの出資券面額は100円です

 

(3)日銀の筆頭株主(出資者)は誰か

  日銀は金融機関だけを取引相手とする日銀法に基づいて設立された特殊法人で資本金が1億円、そのうち財務大臣が55%以上保有することになっています。

(4)日銀株を保有することのメリットは

 配当は1口5円です。取引単位は100口単位からです。現在であれば1,000万円前後で日本銀行の出資者になれます(それでも配当は500円です)。

 しかし、株式会社のように総会もありませんし、議決権、残余財産分配請求権もありませんので、日銀の政策等に口を出すことはできません

  では、何がメリットか。

 「潰れない」こと、「希少価値によるプレミア化」といったところでしょうか。